田上正和　Masakazu Tagami

　1959年、東京都生まれ。下町で育ち、中学時代には友人達と"コインズ"を結成し、"ビートルズ" "ベンチャーズ" "シャドウズ"などのコピーを始める。その後"コインズ"で「ライトミュージック・コンテスト」に出場するが、メンバーのテクニックに飽きたらず、1974年からは学校の先輩たちのバンドに参加するようになり活動も本格化。その頃、田上らのバンドにスカウトされる形で加入し、Vo＆Gとして一緒に活動したのが野口五郎だった。1975年に野口五郎がデビューすることになりバンドを脱退、この辺りから田上はリード・ギターとしてさらに頭角を現し、ディスコなどでの演奏機会も増え、当時はR&Bに始まり、いわゆるニュー・ロックからビートルズ・ナンバーのコピーまでをレパートリーとしていた。そして特に"ビートルズ"に関しては、彼らのフル・コピー・バンドを結成し、サウンドの研究を始める。1976年に"コインズ"時代の仲間がグレコ主宰の「Aロックコンテスト」に出演するのをサポートし、彼らが優秀グループに選ばれたことを切っ掛けに、"キャロル"の前座などを務め、ここから次第にプロの世界へと活躍の場を拡げていくことに。
　高校を卒業した1977年からは、色々なバンドのサポートやレコーディングでも活躍、そしてこの頃に小室和之と出会っている。さらに友人のバンドの打ち上げで出会った杉真理と意気投合し、杉のバンドに参加。また中村雅俊や舘ひろしらのバンドでも活動。杉がビクターから発表した『Mari & Red Stripes』『Swingy』にも参加し、竹内まりや、安部恭弘、青山純、新井田耕造らと共演を果たす。その後、1979年からは音楽活動を休止したものの、1980年に杉真理がCBS・ソニーに移籍したことに伴い、1981年には杉の初のホール・コンサート（東京・郵便貯金会館）にギタリストとして参加、さらに杉のバンド"ザ・ドリーマーズ"のメンバーとしてツアーやレコーディングなどで活躍。1987年秋からは杉真理、小室和之、松尾清憲と共にデモ・テープ作りを開始し、これが「BOX」へと繋がっていく。
　しかし1991年に音楽活動を休止したことで"ザ・ドリーマーズ""BOX"を離れることとなるが、2002年にリリースされたジョージ・ハリスンのトリビュート盤『Gentle Guitar Dreams』に"BOX"として参加したのを足がかりに、最近は不定期ながら音楽活動も復活させ、"BOX"のライヴや杉真理の『魔法の領域』レコーディング、"杉真理＆ザ・ドリーマーズ"の復活ライヴにも参加し、ファンを喜ばせている。